支倉凍砂『狼と香辛料』

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

とりあえず読了。
行商人のロレンスは、馬車の荷台で麦の束に埋もれて眠る少女を見つける。
少女は狼の耳と尾を持つ美しい娘で、自らを豊作を司る神・ホロと名乗った。
「わっちは神と呼ばれたがよ。わっちゃあ、ホロ以外の何者でもない」
まるで経験を積んだ大人のような話し方で、ロレンスを巧みに翻弄する少女。
「お前は、本当に神なのか?」
最初は半信半疑だったロレンスも、やがてホロが旅に同行することを承諾する。
そんなふたりの旅に、思いがけない儲け話が舞い込んでくる。
近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。
疑いながらも、ロレンスはその儲け話に乗るのだが……。
第12回 電撃小説大賞<銀賞>受賞作
行商人・ロレンスと、狼神・ホロが織りなすエポック・ファンタジー
(以上、電撃の図書館より抜粋)
あらすじ通り、農作の神と旅路を共にする話です。
時代はいつ頃か解りませんが外国の中世っぽい舞台で物語は進行していきます。
農作の神――ホロと主人公ロレンスらが旅でお互いを理解してく様はどことなくシリアスな雰囲気でなかなか楽しめた作品でした。
ロレンスの職業が行商人という設定が特徴的で物語全般は商業に関した内容が多く、小難しい会話などが低脳の私を苦しめました。
ツンデレ――ではないと思いますが、それなりに感情の起伏のあるホロが極めて良いなぁ、とか。
全体的にゆったりとしたお話なので個人差によって少々だるく感じてしまうかもしれませんが、二人の感情の交差がとても初々しいというかなんというか、私はこういうほのぼのした感じが好みなんですが。
そういえばワイズの出番少なかったな。もっと内容に関係していくのかと思ったのですが。
ロレンスのさり気ない嫉妬やらなんやらでいざこざが発生するかな、と勘繰ってました。
また、ラストの締め方が気持ち良いな、と思います。ホッとした感じです。
点数付けしますと、100点満点中、98点です。半端です。満点を差し上げたいところですが、最近採点基準が甘いと指摘を受けたので気を引き締めてみました。
やはり、中盤がたるく感じてしまった点でしょうか。でも、100点と同義に考えてもいいと思います。素晴らしい作品には違いありませんし。